2021-0107厚生労働省は2020年12月、「令和元年国民健康・栄養調査」の報告書を発表した。今回発表分の報告書では各都道府県別の動向調査結果は非公開だが、地域ブロック別の動向は複数項目で取得することができる。今回はその中から、食塩の摂取量動向を確認し、地域で違いが生じているのか否かを見ていくことにする。


「令和元年国民健康・栄養調査」の結果による食塩摂取量の平均値はすでに【一日の平均食塩摂取量は男性10.9グラム・女性9.3グラム(最新)】で記した通り、男性10.9グラム、女性9.3グラム。おおよそ若年層ほど少なく、高齢層ほど多くなっていく。

↑ 食塩摂取量平均値(男女別・年齢階層別、グラム/日)(2019年)(再録)
↑ 食塩摂取量平均値(男女別・年齢階層別、グラム/日)(2019年)(再録)

また厚生労働省の【「日本人の食事摂取基準」(2020年版)】では、成人の目標塩分摂取量に関して、男性7.5グラム未満・女性は6.5グラム未満(2020年版、1日あたり)、「健康21」の最新目標値では8.0グラムが望ましいとしている(【健康日本21(第二次)】)。

これらの値を念頭に置いた上で。次に示すのは2019年時点の地域ブロック別の成人における、平均食塩摂取量。なお「関東I」とは埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、「関東II」は茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県、「近畿I」は京都府、大阪府、兵庫県、「近畿II」は奈良県、和歌山県、滋賀県、「北九州」は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、「南九州」は熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県が該当する。

↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、1日あたり、地域別、グラム)(2019年)
↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、1日あたり、地域別、グラム)(2019年)

男女を合わせた全国平均は10.1グラムだが、それを超える値を示すのは東北、関東I、北陸。もっとも多い地域が北陸なのを始め、おおよそ東日本の方が塩分摂取量は多い傾向にある。寒い地域ほど塩分を多く採る傾向があるのはよく知られた話だが、それが地域ブロック単位での平均値にも表れた形だ。それゆえに、最大値を示すのが北海道ではなくて北陸なのが少々不思議な動きではある。

これを男女別に区分したのが次のグラフ。

↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、1日あたり、地域別・男女別、グラム)(2019年)
↑ 食塩摂取量平均値(20歳以上、1日あたり、地域別・男女別、グラム)(2019年)

男女別に区分しても、おおよそ東日本の方が西日本よりも摂取量が多い傾向にあることや、最多地域が北陸であることに変わりはない(女性は同数で東北も最多地域となっている)。また、四国の摂取量が非常に少なく、女性では最低値、男性でも南九州に次ぐ少ない値を示しているのが確認できる。単なる誤差か、それともこの地方では食事摂取の様式で他の地域との差異があるのだろうか。

差異と言えばその四国では男女差が極めて大きな値となっている。女性の塩分摂取量の少なさが全体値を下げ、男女合わせた値ではもっとも少ない値となっている実情がうかがえる。四国では他の地方と比べ、男女で食事に大きな違いが生じているのだろうか。


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