2024-0614虫歯や事故、歯肉の衰えなど多様な理由により、人の歯は欠落しうる。永久歯はすべてそろって32本(親知らずを除けば28本)だが、年齢とともに減少が想定できる歯の残数はどれほどなのだろうか。厚生労働省が2023年12月15日に発表した歯科疾患実態調査の2022年調査分の概要から、その実情について確認していく(【発表リリース:歯科疾患実態調査】)。
今調査の調査要綱は先行記事【「80歳で20本の自分の歯」達成者は50.7%(最新)】を参照のこと。

次に示すのは歯の残り本数が気になる40代以降における、永久歯の平均的な本数。今件でカウントされる歯の数は、健全な状態が維持されたままの歯に加え、「う歯(齲歯。齲蝕した歯。いわゆる「虫歯」)」の状態の歯、詰め物などをして治療した充填歯、かぶせ歯・差し歯のようなクラウンと呼ばれる状態の歯も含まれる。

↑ 一人平均現在歯数(2022年)
↑ 一人平均現在歯数(2022年)

先行記事「「80歳で20本の自分の歯」達成者は50.7%(最新)」にある通り、美味しい食事ができる基準の一つ「自前の歯が20本以上ある状態」を80歳の時点でも維持できるようにとの指標「80歳で自分の歯が20本以上ある人(俗に「8020達成者」と呼ぶ)」の割合は2022年時点で半数を超えているが、全体的な平均値としては80歳では16.9本((18.1+15.6)÷2)であることがわかる。平均値で20本に達しているのは、全体でも、男女別々でも70代前半まで。

男女別ではおおよそで女性の方が本数が多い。男性よりも女性の方が歯の健康に留意している人が多いからだろうか。

これを過去の動向から合わせ、全体の平均推移を見たのが次のグラフ。

↑ 一人平均現在歯数(-1987年の「80代前半」は厳密には「80歳以上」)
↑ 一人平均現在歯数(-1987年の「80代前半」は厳密には「80歳以上」)

1987年までは年齢の区分上限が「80歳以上」だっため、「80代後半以降」の値が1987年までは無く、「80代前半」の値の連続性は無い。とはいえ、それを除いても、一部年齢階層で1970年代までは減少する動きもあったものの、おおよそ歯の本数は増加する傾向にある。これもひとえに公衆衛生・健康の啓蒙と各種医療技術の成果といえるだろう。


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