2022-1106健康志向の高まりなどを受け、喫煙者数・率は漸減の傾向にある。たばこが忌避される原因の一つには、喫煙者自身だけでなくその周辺にいる人も、たばこの副流煙によって喫煙しているのと同じような状態に置かれて(間接喫煙)しまいかねないとの実情がある。それでは世間一般では周囲の人が喫煙しているたばこの煙について、どれほどの人が不快感を覚えているのだろうか。内閣府大臣官房政府広報室が2022年11月4日に発表したたばこ対策に関する世論調査から、その実情を確認する(【発表リリース:たばこ対策に関する世論調査】)。
今調査は2022年8月4日から9月11日にかけて、全国の18歳以上で日本国籍を持つ人3000人を対象に郵送法で行われたもので、有効回答数は1556人。男女比は698人対858人、年齢階層比は18-29歳が163人、30代が170人、40代が240人、50代が298人、60代が287人、70歳以上が398人。

次に示すのは回答者本人が認識する、周りの人のたばこの煙に関する不快感。世間一般がどのような考えなのかではなく、回答者がどう考えているかを答えてもらったもの。個々の意見の回答の集約のため、結果は属性全体としてどれほどの人が不快と思っているのか否かを確認できる。

↑ 周りの人のたばこの煙について不快に思うか(2022年8月)
↑ 周りの人のたばこの煙について不快に思うか(2022年8月)

全体では「不快に思う」+「どちらかといえば不快に思う」で83.2%の人が「不快に思う」派、「どちらかといえば不快に思わない」+「不快に思わない」で16.2%が「不快に思わない」派。圧倒的多数の人が、周りの人のたばこの煙を不快に思っていることになる。

男女別では圧倒的に女性の方が「不快に思う」派が多く、実に89.6%に達している。強い不快感を示す「不快に思う」だけでも64.0%と圧倒的なのが目にとまる。それだけ女性のたばこの煙に対する忌避感が強いのだろう。

年齢階層別ではさほど大きな違いは出ていないが、「不快に思う」派は30代でやや低め、その30代を除けばおおよそ年上になるに連れて「不快に思う」単独や「不快に思う」派が多くなる傾向がある。健康に留意する人が多いからなのだろうか。

この副流煙への忌避感の度合いは、例えば回答者自身が喫煙をしているか否か、家族に子供がいるか否かで大きな違いが出るものと思われる。しかしながら今回の調査ではそれらのような属性に区分した上での値は公開されていない。特に喫煙者・非喫煙者間の副流煙への認識の違いは興味深い結果が出るであろうことから、残念ではある。


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