香りがきついアレイメージ鼻炎薬「コンタック600プラス」などを発売するグラクソ・スミスクラインは2009年1月28日、「花粉症から取り戻したいものに関する意識調査」の結果を発表した。それによると花粉症で嗅覚が低下することにより、味が変わってしまうと思われるものを選んでもらったところ、ドリアンは選択肢の中ではもっとも同意票が少なかった。ドリアンほどのきつい香りなら、どりあんどれだけ花粉症で鼻の調子が悪くなっても分かるのではないかという考えが支配的のようだ(【発表リリース】)。




今調査は2008年12月24日から25日までの間、これまでに春に花粉症になったことがある20-39歳の男女を対象に行われたもので、有効回答数は411人。男女比はほぼ1対1で、年齢階層比は20-24歳が47人、25-29歳が159人、30-34歳が97人、35歳-39歳が108人。

花粉症の症状の一つに鼻づまりなどによる嗅覚の低下がある。鼻水は滝のように流れ出て、幾度と無く鼻紙が使用され鼻のてっぺんはトナカイモードとなり、とてもではないがまともな嗅覚を期待するのは無理というもの。

一方で、味覚は多分に嗅覚(かおり)に左右される。「香りを楽しむ」という言葉があるように、食事では香り自身が楽しみの要素であるにとどまらず、嗅覚が味覚にも大きな影響を与えている。風邪で鼻がおかしくなると、食事も何となく美味しく感じなくなるのがよい例だ。

そこで、花粉症によって嗅覚がやられてしまい、風味がわからなくなり、結果として味も変わってしまうかもと考えられる食材を、特に「普段は香りが強いもの」「香りの強さが味を引き立てているもの」から複数回答で選んでもらったところ、高い同意票を得たのは「ハーブチキン」「チーズ」「焼肉」などだった。

花粉症で風味が分からなくなると味が変わるだろうと思うものは
花粉症で風味が分からなくなると味が変わるだろうと思うものは

焼肉イメージ「ハーブチキン」は元々香りを楽しむ要素が大きいし、「チーズ」もその独特の香りが個性を生み出している。しかし「焼肉」も多くの人が、味そのものよりも「香り」が味わいに大きな影響を与えていると考えているのには、少々驚いた。強い香りで人前に出る時には避けたい食事の一つ「焼肉」だが、その香りこそが味わいを引き立てる要素として認識されているのだろう。

一方、「ドリアン」は「嗅覚が鈍っても味は変わらない」と考えている人が多数を占めている。これは元々「ドリアンは美味しくないから香りがしようがしまいが変わらない」のではなく、「あまりにも香りが強力なので、いくら花粉症で嗅覚が鈍ってもドリアンくらいなら分かるはずだ」との思いによるところが大きいと考えられる。花粉症の嗅覚鈍化をも凌駕(りょうが)する(と思われている)ドリアンの香り、いかに強烈なものであるかがまた一つ証明されたことになる。



鼻かみまくりイメージ風邪や花粉症で嗅覚が鈍り、味覚までまひしてしまう件については、多分に「味覚は嗅覚に影響されるから」というので間違いない。しかし実際には風邪などの体調不良の場合、単に嗅覚が鈍るだけでなく、味覚そのものも鈍っている可能性がある。

「花粉症で鼻がやられているから、美味しく感じられないんだな」とそのまま信じていると、身体の他の部分のトラブルを見逃す場合もある。さらに花粉症の薬などが味覚を鈍化される可能性も否定できない。いつもと違う感覚があったら、何でも花粉症のせいにしてしまうのはちょっと危険かもしれない。




スポンサードリンク