食事制限イメージ【日清オイリオグループ(2602)】は2009年4月30日、メタボ対策に関する意識と行動調査の結果を発表した。それによると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、通称:メタボ)対策に消極的な人は、「食事に気を使うのがイヤ」で対策をしていない人がもっとも多いことが明らかになった。食事に制限をかけられ、楽しみの一つが減ってしまうことへの反発がメタボ対策を敬遠させているのだろう(【発表リリース】)。



今調査は2008年11月21日から12月4日にかけてインターネット経由で男性に対して行われたもので、有効回答数は(今回取り上げた項目においては)600人。そのうちメタボ層は400人(対策積極派・非積極派が半分ずつ)、非メタボ層は200人。年齢階層比は30代から60代で均等割当。

メタボ層で取り組みに消極的な人に対して、取り組みをしたいか否かについて尋ねたところ、過半数が取り組みの意向を示していた。

メタボ対策取り組み意向(非積極層)
メタボ対策取り組み意向(非積極層)

積極的で無い人もその多くは「取り組みたい」という意向は持っているようだ。

それではなぜ対策をしないのか。その理由について複数回答でたずねたところ、もっとも多いのは「食事に気を使うのが嫌だから」で、4割近くに達していた。

メタボ対策を行わない理由(非積極派)
メタボ対策を行わない理由(非積極派)

食事制限をせずに行えるメタボ対策など耳にしたことがない以上、どうしても「対策」=「食事に対する制限」となる。他人から・栄養学的に見れば食べすぎ・片寄りすぎだとしても、これまでの食生活に何らかの制限がかけられてしまうことに、我慢がならない人が多いのだろう。食事そのものが数少ない楽しみだという人も多いだろうから、「これは仕方が無いよね」と自分で自分を納得させる向きもあるのかもしれない。

トップに続く理由、「忙しいから」については、別項目で「勤務・通勤時間の合計が10時間以上/日」の人に限定し、積極派・非積極派双方に尋ねているが、積極派では忙しい中でも色々と工夫をして対策を施しているという結果が出ている。「忙しい」はあくまでも自分の非積極的な姿勢を否定しないための「言い訳」に過ぎないようだ。



家族で食事イメージ一番多い「食事に気を使うのがイヤ」は、メタボ対策の最重要項目が食事のコントロールである以上、避けて通れない問題であり、何か外部的要因でこの気持ちを上回る「積極派に転じる理由」がない限り状況の打開は不可能。リリースにもあるように、この「転じる理由」については「病気になりたくない」「見た目が気になる」「家族のために健康でいたい」「健康診断で再検査になりたくない」「洋服サイズが変わるとお金がかかる」など、多種多様。特に、すでに積極的に対策をしている人は、非積極派と比べて「家族のために健康でいたい」の項目が大きな値を示している。

メタボ対策に必要なのは、「自分自身の問題として」より、「自分だけでなく、自分の大切な家族のためでもある」という気持ち、言い換えれば「背負っているものの重さ・大きさ」の違いを認識できるか否かにあるのかもしれない。