薬イメージC-NEWSは2009年6月17日、改正薬事法の施行で変わる一般用医薬品(大衆薬)の動向にからみ、大衆薬の代表品目である市販の風邪薬について、購買行動やブランドイメージなどに関する調査結果の一部を公表した。それによると、市販の風邪薬を選ぶときに重視する最大のポイントは「価格」で、「即効性」や「副作用が無い/少ない」などの効用に対する項目が上位を占め、発売元・製造元やネーミング、広告イメージなど外部的要因はほとんど重視されていないことが分かった。すでに確立しているブランドを元に、具体的効用を確認しながら選んでいく、というスタイルだろうか([発表ページ])。



今調査は2009年6月4日から6日の間、インターネット経由で20歳以上の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1で、年齢階層比は20代・30代・40代・50歳以上で均等割当。

大衆薬の中では頭痛薬や解熱剤などと共にもっとも多く購入・使用され、薬箱の中に常駐されているであろう風邪薬。秋から冬にかけての風邪の季節になると、テレビ・新聞・雑誌など、多種多様な場所で風邪薬の広告を目にするようになる。それでは実際に、市販の風邪薬を選ぶ際、さまざまなセールスポイントについてどの程度重要視するだろうか。重視するを最大10ポイント、もっとも重視しないをマイナス10ポイントとし、取得データについて加重平均値を計算したところ、もっとも重視する項目は「価格」だった。次いで「即効性」「副作用が無いこと/少ないこと」などが上位についた。

風邪薬に求めるもの
風邪薬に求めるもの

要は「安いにこしたことはない」「今現在症状が起きているからすぐに効いて欲しいけど、(例えば眠くなるような)副作用は無い方がいいナ」というニーズが風邪薬には強いことになる。

一方、カプセル型の人形の芝居やサムライの決闘シーンをはじめ、多種多様なCMが展開され、効用と共に広告自身のイメージや名前が披露されることが多いのも風邪薬の特徴。しかし風邪薬そのものの効用以外で重視されている項目は、最上位が「タイプ(錠剤、カプセルなど)」で、その次に「ブランド」がついているものの、「テレビCMなど広告のイメージ」「ネーミング」などはほとんど軽視されていることが分かる。

これは購入予定者はすでに確立したブランドイメージ以外は、効用に重点を置き、名前や宣伝などはあまり気にしないという、「風邪薬を選ぶ際の消費者の行動パターン」を現しているともいる。ブランドイメージを確立するためには商品自身の質が良いことは当然だが、センスの良いネーミングをしてパッケージも出来の良いものとし、広告も大量に打たねばならない。しかし一度「ブランド」を得てしまえば、あとは品質の維持に注意するだけで良く、広報展開は思ったほどの効力を示さないということにもなる。

これが風邪薬だけの話なのか、解熱剤や整腸薬など他の大衆薬にも当てはまる事柄なのかは分からない。しかしこのような話を頭に入れた上で、ドラッグストアの薬の陳列棚を見回せば、新たな発見を得られるかもしれない。



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