旅行イメージ【ニフティ(3828)】は2009年8月21日、新型インフルエンザ(インフルエンザA(H1N1))に関するアンケート調査結果を発表した。それによると、調査時点において調査母体内では、「秋から冬にかけて新型インフルエンザが流行した場合、旅行の予定はどうしますか」との問いに対し、7割強の人が「旅行をしない・ひかえる」と答えていることが分かった。一方で、2割強の人は「気にしないしない」「予防をしっかりとした上で行く」と答えており、予定を変えずに旅行に行くと考えている人も多いことがうかがえる(【発表リリース】)。



今調査は2009年7月8日から28日までの間に、防災@niftyのパソコン・携帯向けサイトにて行われたもので、有効回答数はパソコン・携帯合わせて2551件。男女比・年齢階層比などは非公開。

すでに【東京都におけるインフルエンザ報告数(2009年8月20日版)】やその後の発表などで、夏季におけるインフルエンザ(その大部分は新型インフルエンザなので事実上の新型インフルエンザ)の流行宣言が出されたが、調査時点においてはまだその動きは報じられていない。その時点で「新型インフルエンザが流行した場合、旅行に出かける予定はどうするか」(※原文では「旅行に出かける予定はありますか」だが意味が通じにくいので表記を変更した)について尋ねたところ、74.7%の人が「旅行を控える・しない」と回答した。4人に3人は、「流行したら旅行を差し控える」という意思を持っていることが分かる。

秋から冬にかけて新型インフルエンザが流行した場合、旅行に出かける予定はどうしますか?
秋から冬にかけて新型インフルエンザが流行した場合、旅行に出かける予定はどうしますか?

元々この調査が「防災@nifty」という防災関連のサイトで行われたことから、防災意識が高い人たちが調査母体の中心であることを考えると、世間一般ではもう少し「旅行を控える」という意識は緩やかだと思われる。それを考慮しても7割強が「旅行への意思をセーブする」と認識しており、各方面への少なからぬ影響が予想される。

一方で「海外旅行ならする」「暖かい南半球への旅行ならする」「予防をしっかりすればいいので旅行する」「弱毒性だから気にしない」という、一部誤った認識を持つ回答をする人もおり(海外だから安全という話は無い。弱毒性でも感染した場合、季節性インフルエンザ同様に健康リスクが高くなる人もおり、そのような立場の人への二次感染を考えると、「弱毒性だから云々」という考えは問題。などなど)、正しい情報の啓蒙が期待される結果となっている。

過剰な反応は(流行だけでなく経済面も含めた総合的なメリット・デメリットで考慮すると)逆効果となることはWHOの勧告でも語られており、【外務省の通達】でも「新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しない」とする一方、「30代から50代の方々、基礎的疾患を持つ方及び妊娠中の女性が感染すると重症化する場合がある」とし、感染防止に努めるよう促している。

流行度にもよるが、人混みが多い場所への旅行を計画している場合には、色々と周囲状況・環境も合わせ、再検討をしてみた方がよいのかもしれない。